興味があるなら恋をしよう−Ⅰ−

…藍原。課長への思いを押し込めて、ちょっと揺れかけてた心は、またどこかに行ってしまったのか？気づく前に消えたのか。
課長に会って、もう一変してしまったのか…。
確かに、何かに気付きそうな、そんな手前のところまで来てたじゃないか。俺は何、って。
何、何、ばかり、しつこく聞いて来たじゃないか。
本当は思い当たってたんじゃなかったのか…。
今日、そんな気持ちは、忘れてしまったのか。もう、無くしたのか。
課長との現実が嬉しくて…、浮かれてしまったのか。…そうだよな。…元々好きだったんだ。いい答えが貰えたとするなら何の問題も無い。藍原は課長の事がずっと好きだったんだよな。

俺は…、ソフレに続き、アシストまでして終ったって事か。…だよな、…。
話は聞いた方がいいって、言って終ったしな。
俺って藍原の何？
あ。…。フ…ハハ…、藍原みたいな事言ってる。…本当、何なんだろうな…。
泣きたい時に泣ける相手。
寂しい時はずっと傍にいる。
どんなに密着しようが何もしないオトコ…。
男では無い、という事なのかな。
藍原は女で、俺は…男で。
確かに間違いなく性別はそうなんだけど。性別は俺達には意味の無いモノなのかな…。
いや、藍原には…か。
前科三犯と抱き着きは、何でもない別物…。て、事だな。
フ、…課長に抱きしめられたら、キャッて言ってたな。
ちゃんとびっくりしてたじゃないか。さぞかし…ドキドキしたんだろ。

ピンポン。ピンポン。
…。もー。…。
なんの用があるっていうんだ。

ピンポン。
…、あﾞー、もー。
…いい加減にしてくれよ。