興味があるなら恋をしよう−Ⅰ−
カチャ。

「何しに来てるんだ…部屋に戻れよ」

「だって、坂本さんが」

「俺が何だよ」

「…そんな言い方。…そんな言い方されたら…」

「だから。…じゃあ。どんなご用があって、いらっしゃったのでしょうか?
これでいいか?」

…。

「…もう、…もういいです」

「はぁあ?」

「…恐いー!そんな聞き方されたら、恐い!……恐くて何も言えないー!」

「はぁあ?……もう。何なんだよ、一体…」

恐いって…。確かに声は低めだったかも知れないが、そんな…恐いって言われるような顔でもしてるのか?

「…おい。…藍原」

も゙ー、何、泣いてんだよ…。俺か?俺のせいか?態度か?
そんなに恐いか?はぁあ?

「…部屋に…入れてください」

「はぁあ?…お前。何言ってるんだ…。あ、ごめん、お前って言った。
だけど、今の自分の立場を考えて見ろよ。もう、そんな…簡単にはいかない」

「何故ですか?」

「何故?…」

はぁ。俺が言わないと解らないっていうのか?…勘弁してくれよな。俺は身内じゃない、赤の他人の男なんだ。

「私、今、泣いています」

泣いてるさ、それがどうした。

「坂本さん、ソフレですよね?」

ソフレ…それがどうした。

「私と一緒に居てください」

「はぁあ?」

何を言ってる。
何を考えている。

「今夜はここに泊まります!」

泊まりますだと?
ニュアンスが違うんじゃないか?
傍に居るとか。
抱きしめていてとか、とは違うじゃないか。

泊まる?

さっぱり解らん。頭の中を見せてくれ。
…泊まる?!…一体何を考えているんだ。勘弁してくれ。
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