興味があるなら恋をしよう−Ⅰ−
……いいのか?いや、仕方ない。うん。今は仕方ない。こんな汗で濡れたままで放置する事は出来ない。
天使がそう言っている。

藍原のカーディガンを脱がせた。これは問題ない、抵抗無い。
…問題はワンピースだ。
わー。四の五の言ってる場合では無い。
藍原、すまん。
上半身を起こし、ファスナーを下ろし…肩を抜き、…ずり下ろした。
一旦布団を掛けた。……はぁぁ。
俺が汗ばむわ。ふぅ。…。

ウエストの辺りまで下げたよな、確か。
頭にTシャツを潜らせ、腕を通し、下げた。
ふぅ。
布団を掛けたまま、手探りでワンピースを足から脱がすと同時にストッキングも脱がせた。
はぁ。
物凄く…犯罪者の気分になりそうだ。
俺のスウェットの短パンだから長めでいいだろう。
それに足を通して、上げた。
はぁ。よし。
もう勘弁してくれ。

水…。
冷蔵庫に辿り着き、取り敢えず一本飲み干した。

何本か水を持ち出し、寝室のベッドサイドに置いた。

解熱剤はもう少し後、俺が出るギリギリに飲ませよう。
今は熱は上がりきった方がいいだろう。
体温計を挟む。

ピピ…。
38、7度か。…高いな。病院行った方が良くないか?
はぁ、昼まで居るか。様子を見よう。
俺は大友さんに連絡を入れた。
詳しい事情は詮索されなかった。

月曜なのに駄目な会社員だな。
よし、タオルを濡らして来るか。

思いがけない事になってしまったな。
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