興味があるなら恋をしよう−Ⅰ−
ふぅ、出ないか。藍原…寝てるのかな。
それならそれでいいんだが。大丈夫なんだろうか。
休むって、体調不良なんて、あれから具合が悪くなったのか。
普通に元気そうに見えたんだが。
坂本から休む連絡があったなんて。
余程、良くないんだな。…。…?坂本はどうやって知ったんだ?
藍原が坂本に言いに行ったのか。
そんなとこだな、お隣さんだし。
…。
会社から出られるようなら、藍原の部屋に行って見てもいいんだが、そうもいかないな。
坂本は昼からみたいだし。
来たら藍原の様子を聞いてみるか。


「すみません、課長、遅くなりました」

「おお、坂本。もう来たのか。昼からになるんじゃなかったのか?」

「え?はい。思ったより早く出られたので、来ました」

「そうか、外に直ぐ出るか?」

「そうですね。
大友さんとは出先で落ち合う事にしていますから。直ぐにでも出ようかと。…何か?
そんなに時間はないですが」

「じゃあ、と、…5分くらい、いいか?」

あっち、と休憩室の方を指す。

「はい、大丈夫です」


「坂本は具合が悪いとかではないのか?」

珈琲を渡す。

「あ、有難うございます。俺は何でもないです、すみません、遅れて」

「いや。藍原なんだが、坂本に聞けば事情は解るのかな?
携帯、鳴らしても出なかったから、余程悪いのかな」

「あー、多分、薬が効いて寝てるんじゃないかと思います」

…と、言うことは。
やはり坂本は、よく把握しているって事か。
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