興味があるなら恋をしよう−Ⅰ−
課長はこの前と同じ。
鍵を開けて部屋に入るまで見守ってくれていた。
確認すると車に乗り込み、また手を上げて帰って行った。

はぁ。身体が凄く熱い。顔も火照っていた。
時々お泊りする事を決めた。自然に口から言葉が出ていた。
課長が私を大事に思ってくれてる気持ちが、凄く、いつも、伝わって来ていた…。それに応えなきゃって。咄嗟に。
思われるって、こんなに充たされた気持ちになるモノなんだと思わされた…。はぁ。
週の内、平日でも、いつでもいいって。
極端に遅くなる日は避けようなって。
朝は間に合うようにちゃんと送るからって。
お泊りは純粋にお泊りなんだ。
だから、帰って身支度を整え、ちゃんと自分の家から出勤する。
そういう事。
今は、そういう事。……はぁ。
ちゃんとした部屋着を買って置かなきゃ。Tシャツや短パンでなんて恥ずかしい。

初めてのお泊りはいつになるんだろう。
課長が声を掛けてくれるのかな。それとも私が?
私から行ってもいいかって、言っていいのかな。
最初は。課長が来るかって、言ってくれるのを待っていよう。
あー、だから、なるべく早く買って準備して置かなきゃ駄目よね。
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