興味があるなら恋をしよう−Ⅰ−

『坂本尚紀様
このメモに気が付いてくれるのはいつなのか…。まずは気付いてくれる事を祈ります。
私が尚紀さんのメモに気が付いた日は、入れて貰ってから、一体どのくらい経っていたのでしょうね。
どうして…、一言、いえ、直接、アドレス、番号を教えてくれなかったのか。
いえ、何故、直接、大事な事を告げてくれなかったのか…恨みますよ?

きっと私達の持ってる運命のようなモノに賭けたのですよね?そうですよね?
私達は何故か、事あるごとに出会ってしまうから。
私のハプニングには必ず貴方が現れてくれるから。

だから、私も、…賭けてみようと思います。
大事な人生、なのに大博打なんて、です。
笑ってますか?それとも困惑?
アドレスも電話番号も解っています。会社でだって連絡は出来ます。
でも、敢えてこういう形でお知らせします。
貴方がメモに一言、ずっと好きだ、と書いてくれたように。

今、毎日少しずつ荷物を段ボールに詰めています。
私は引っ越す予定です。
そう遠い日ではありません。荷物は片付き次第、出します。

居なくなる前に、部屋に訪ねて来て貰えますか?
会えると信じて待っています。 藍原紬

※これでは同じようなメモとは違いましたね。
一言では説明出来なかったので』
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