興味があるなら恋をしよう−Ⅰ−
今日も和食屋さん。
やっぱりご飯は和食がいいな。お味噌汁を一口飲むだけでホッとする。

課長とフロアを出て、車で向かう途中も話が弾んだ。
ずっと手も握られていた。

そして、和食屋さんの帰り、今も車内で手を握られていた。
話の流れで頭をポンポンされたりもした。



課長の部屋に着いた。
手を繋いで歩き、エレベーターに乗り込んだ。
そんなに長い時間乗っている訳じゃない。
むしろ、エレベーターなんて、あっという間に着いて終う。

「藍原…」

呼ばれて、何気に顔を向けると、直ぐさま唇が重なった。
ん?!
急くように食まれたかと思ったら離れた。

「フ、そんなに驚いたか?」

頭を撫でられ、軽く寄り掛かるように引き寄せられ肩を抱かれた。

「着いた。誰かに会ったらまずいからな。続きは後でな」

はぁ…だって…。キスされたのは私が迫った日以来…。


エレベーターの扉が開いた。
手を繋ぎ、部屋に向かった。

…あ、…。もしかして、今夜…私達はって、事?…だから、課長…。
どうしよう…急にドキドキして来た。

課長が部屋の鍵を開けた。
ドアを開け、中に脚を踏み入れた。いきなり抱き上げられた。

「キャ、課長?まだ、駄目です…」

「駄目?…まだ?」

「あの、靴、まだ脱いで無いです」

「あぁ〜。その駄目なら、大丈夫だ。…脱がせるから」

そうして器用にパンプスを飛ばすように脱がせた。

「藍原、今夜、お泊りするんだろ?」

「…はい、そのつもりですけど?」

「普通のお泊りじゃなくなってもいいか?」

…やはり、そうですか。
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