興味があるなら恋をしよう−Ⅰ−
「え?……ソフレ?!」

「ああ。ソフレ。お友達だよ、添い寝する。何も無い。添い寝だけの」

ソフレの意味は解る。知っている。…だけど。

「藍原、どうする?」

聞かれて改めてお願いするのも…。
それに、何と無く側に居て欲しくて一緒に寝てしまうのと、具体的にソフレと、決まった言葉で表現されるのとでは…。
同じは同じなんだけど、…ね…。

「俺の部屋に来るか」

「……え゙?そ、それはちょっと…」

それは妙にまた問題が有りそう。
同じ事でも、自分の部屋と男の人の部屋に行くのでは微妙に違う気がする。…。
この考えは単に逃げ口上に過ぎないのかな。
結局する事は同じなんだものね。

「藍原のベッドは狭い。だから余計くっつく。だろ?俺のベッドならダブルだ」

あー、そういう意味で、俺の部屋、ですか。
一緒に寝たとしても互いに距離を取る事が出来ると。

「ついでに言えば、藍原が自分の掛け布団を持って行けば、別に俺とくっつく必要も無いし、一人で居なくても済む。
あ、それか、俺が部屋から布団持って来てソファーに寝ようか?」

「待って、…ちょっと待ってください」

もう添い寝とか、どっちかの部屋で寝る事に決まってしまったの?ベッドの話はどうなったの?
抱きしめている状態から離れる事が寂しいって言ってたら、どっちのどこだとしても、寝る話に?…。

やはり、今夜の私はどこか甘えている。自分可愛さからだと思う。……一人では居たくない。誰かに居てほしい。

「…布団持ってお邪魔します。…いいですか」

「いいよ。じゃあ、行こうか、俺の部屋」

…いいのかな、決めたけど。

「はい」

布団と携帯と…鍵を掛けて、坂本さんの部屋に移動した。


「はい…、どうぞ、入って?まだあちこち段ボールがそのままだけど。ベッドだけは大丈夫だから」
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