興味があるなら恋をしよう−Ⅰ−

ブー…ブー…。葵か。

【匠〜。今日ね、先生がね、金曜日に退院出来るって、言ってくれた。
だから里緒のお迎え、金曜日はいいからね、私が行くから】

【病院の迎えは？いいのか？大丈夫なのか？一人で】

【午前中だし、匠、仕事だから無理でしょ？
大丈夫、一人で。無理しないから大丈夫】

【本当か？いきなり里緒の迎えは止めといた方がいいよ。里緒の迎えは俺が行くから。
ゆっくり家で待ってた方がいい。そうしろ】

【んー、解った。じゃあ、里緒は匠が迎えに行って】

【ああ。帰って来た途端張り切るなよ？
元の木阿弥になっては里緒が可哀相だからな】

【解ってる。週末だし、ゆっくりするから】

【ああ。退院の日、迎えに行かなくて本当に大丈夫か？】

【大丈夫よ。何かあったら連絡するから】

【解った。退院まで、気、抜くなよ？】

【解ってるー】


葵…。里緒に会えると思って、張り切って好きなご飯とか作りそうだな。
里緒と一緒に居るだけでも大変だからな。
また前日にも注意しとかないとな。
里緒にも言っておかなきゃな。
…お母さんに甘えちゃ駄目とは言い難いし、会ってないから甘えたいだろうし。
難しいな。

【葵、心配だから退院した日は俺、葵ん家に泊まろうか？
週末だから土日も一緒に居るよ。家にも里緒の服とか少しあるし。そっちに返さなきゃいけないだろ？】

【（笑）どうしたの？そんなに心配して】

【ほら、里緒が葵に甘えたいだろうからさ。
大変だろ？
遊びが過ぎても、葵、疲れるだろ？】

【ん〜。じゃあ、来て。ご飯作って!（笑）】

【解った、任せておけ。じゃあな】

【うん。あ、食材の買い物。重いから沢山まとめ買いして来てね。よろしく〜】

フ。葵のやつ。