8歳上のパパ【長期更新停止中】
「実は、美未ちゃんに言い忘れたことがあって……」
「え……?」
意外……なんですけど。
だって、言い忘れたことって……
ほとんど話したことないあたしに?
しかも、一回出掛けた後、わざわざ戻って来てまで?
――あり得ない。
それが素直な感想で。
「……」
彼が息を整えている間、お互いに無言の時間が、やけに長く感じる。
何か話さなくては……と思ったものの、自分から言う言葉も特に見つからず、あたしはただ彼の次の言葉を待っていた。
――‘美未ちゃん’。
さっき彼があたしの名前を呼んだ時の、甘いトーンの声にむずがゆくなりながら。