8歳上のパパ【長期更新停止中】
あの時だって、本当のことを言ってくれていれば、力になれたかもしれない。
そばにいて、
支えることくらいは、できたかもしれない――……。
「――堤くん、それ終わったら、次こっち頼む」
「はい」
現場のチーフらしき男の人が一志を呼び、一志がそれに笑顔で応える。
『堤』くんか……。
その言葉も、
ネームプレートに書かれた文字も、全然見慣れない。
『堤 一志』
それは……あたしと別れた後の一志の名前だから。