8歳上のパパ【長期更新停止中】
だけど。
あたしたちってそんな風に見えるんだ……。
騒ぐ香恵ちゃんに対し、否定することなく穏やかな笑みを浮かべる彼の横顔をチラリと盗み見る。
なんだかちょっと嬉しいかも。
勘違いとはいえ、恋人と思われるなんて。
やばい……にやけてくる。
何やら話をしている二人にばれないように、口元を手で覆った。
――でも。
そんなほのぼのとした気分は、すぐに終わってしまうもので。
つかの間の幸せ。
嘘でもいいから、もう少しだけ「恋人モード」を味わいたかったのに……。
「――あれ?でもさー美未……」
香恵ちゃんの、この一言で。
「一志くん……だっけ?
別れちゃったんだね?」
また、思い出してしまったんだ。