8歳上のパパ【長期更新停止中】
――パタリ。
彼の手が離れ、淡いベージュ色のドアが、再びあたしの目の前に現れる。
その横にある棚に飾られた一輪の花のように、
あたしはただ前方を見つめていた。
――いったい彼は何を考えているのだろう?
あんなこと、わざわざ戻って来なくても、電話で言えば済む話なのに。
……訳が分からない。
それに……。
――‘そうだよ’
ただ一言、そう言った時の彼の笑顔を思い起こす。
一緒に住むようになって約10日。
今まで気付かないフリをしていた感情が、あたしを襲う。
よく見ると……
カッコいい……かもしれない。