8歳上のパパ【長期更新停止中】


でも、どうやら今回は梨花子の言いたいことは違ったらしい。

電話越しにはっきりと、でもちょっと自信なさげに口を開く。



「違うよ!今回は大成功!……だと思う」

「あはは」

「あははって!美未はどうなのよ」


思わず笑ってしまったあたしに、鋭い一言が降ってきた。


「へ……?
ああ、今焼いてるところだけど?」


なんとなく気付いてはいたものの、わざと素知らぬフリをする。


「ちっがーーうっ!!
もう!惚けないで」


案の定、声のボリュームが一気に倍くらいになった。


その様子に、あたしはフッと笑う。




――やっぱり。

梨花子は優しいんだ。







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