8歳上のパパ【長期更新停止中】
周りにいる沢山のカップル。
手を繋いだり、寄り添ったり。
みんな幸せそうに歩く姿を、あたしは一志の横に座り、ボーっと眺めていた。
「――……美未?」
――気が付くと、一志が心配そうにあたしの顔を覗き込んでいた。
「なんかボーッとしてたけど、どうかした?」
「……ううん。大丈夫」
慌てて笑顔で答える。
「そう?ならいいけど」
一志は、ポツリとそう言うと、突然、食べ掛けのケーキのフタをしめた。
「全部食っちゃうともったいないから、あとは家でゆっくり味わう」
ニカッと笑うその顔は、付き合っていた頃と寸分の違いもない。
やっぱり、好きだなって思う。