8歳上のパパ【長期更新停止中】
14.冷たい彼
夕方、一志に送ってもらって家に帰ると、玄関の鍵が開いていた。
てっきり2人もバレンタインデートにでも出かけていると思ってたんだけど……。
「ただいまー……」
リビングの扉をそっと開ける。
すると、珍しくタバコの匂いが漂ってきた。
ほぼ同時に目に入ったのは、リビングのテーブルでひとりタバコを吸いながら新聞を読んでいる彼の姿。
あたしが入ってきたことに気付くと、一瞬だけこっちを見て。
「おかえり」
いつもよりも若干低く聞こえる声でそう言うと、再び視線を新聞へと戻す。