8歳上のパパ【長期更新停止中】
ママはすぐさま持っていた荷物を降ろし、灰皿の中から吸い殻をひとつ指でつまむと、
「純一くん……吸ったでしょ~?」
と追求するように言いながら、後ろを振り向く。
それにつられて視線を移すと、複雑そうに顔を歪める彼とばっちり目が合ってしまった。
そのとたん、まるでトランポリンのように大きく跳ね上がる心臓。
さっきの、力強い腕の感触を思い出し、あたしは咄嗟に目を逸らす。
……もう、いちいち反応しすぎ。
コントロールの効かない心臓に嫌気がさして、あたしは見えないようにぎゅっと目を瞑り、心を落ち着かせようと息を吸った。