8歳上のパパ【長期更新停止中】



「ママ、もしかして、冷蔵庫……?」


引きつった顔でそう言うと、ママはピースをしながらニッと笑う。


……迂闊だった。


――そうだよ。

せっかく内緒で作ったのに、あたし、キレイにラッピングしたケーキを冷蔵庫に入れてたんだ。


昨日ママたちが帰ってくる前に寝てしまったから、すっかり忘れていた。


ああ、もう。

あたしのバカ。

いくら一志が好きだからと言って、生ものなんか作るんじゃなかった。


「はぁ~」


思いっきり大きなため息をつく。


「こら!美未!!
そんなため息ついたら、せっかく掴んだ幸せが逃げてくでしょ!

聞きたいことは山ほどあるんだから!お祝い、始めるわよ!」


「……」


それから、お祝いという名の……ママの、ママによる、ママのための質問攻めが始まったのだった。





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