8歳上のパパ【長期更新停止中】
16.遠い記憶
「……まーた、それは急展開だね」
月曜日の午後。
混雑ピークが去り、中休み中のワゴン車の中で、あたしは梨花子に愚痴をぶつけていた。
もちろん、あの夜にも電話したけど、それだけじゃ気持ちは収まらない。
「本当だよ、もう。
パーティーだけだって、ため息もんだったのに、まさかあんなこと言い出すなんて」
第2次ピークの夜に向け、忙しく作業をする店長の横で、時間を持て余していたあたしは頭を抱える。
「まー自由奔放な美未のママらしいけどね?」
梨花子は軽くそう言うけれど、そのことを考えるだけで頭が痛くなる。
「どうしよう、梨花子〜」
「まーまー、とりあえず落ち着きなって!
ね、店長?」
「え?
あー、そうだな」
突然話を振られたからか、店長は少し焦った表情を浮かべていた。