8歳上のパパ【長期更新停止中】
半分ほど平らげた頃、手元に一志の視線を感じて顔を上げると、あたしの食べているカルボナーラをじっと見つめていた。
今にもよだれを垂らしそうな様子に思わず吹き出しそうになったけど、何とか堪えながらお皿を差し出す。
「……一口食べる?」
「いいの?」
「だって、その物欲しげな視線が気になるんだもん」
「やりぃっ!!じゃあ俺のもどうぞ」
満面の笑みでお皿に手を伸ばした一志は、まるでおねだりしたおもちゃを買ってもらった時の子どものようで、なんだか微笑ましくなる。
きっと大口を開けて一気に二口分くらい食べるつもりだろう。
フォークに麺を巻きつけている一志の勢いの良さは、テレビによく出ている大食いタレント並だった。
ところが……。
一志が麺をぐるぐる巻きにしたフォークを口に運ぼうとした時、何かを思い出したようにあたしを見た。
「あ……そうだ、美未?」
「ん……?」
あたしは、もらったハンバーグをナイフで切る手を止めて、聞こえてきたその声に耳を傾ける。
「日曜日だっけ?何時に行けばいい?」