8歳上のパパ【長期更新停止中】
リビングに入って来た一志は、予想通り目を見開いて固まった。
そりゃ、当然だ。
だって、母子家庭のはずの我が家のソファーに男が座ってるんだから。
しかも、一切こちらに目を向けない。
どこか冷たい空気が流れている。
「ふふっ!驚いた?一志くん」
微動だにしない一志を見たママは、いたずらっ子のような笑みを浮かべている。
「え、あ……いや……え?」
一志は何が起こったか分からず、困ったように彼とママ、そしてあたしへと交互に視線を移していた。
やっぱり、この前会った時に言っておけば良かったかな。
なんだか、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
「ごめん。一志。実は……」
あまりにも困り果てた一志が心配になって口を開こうとしたあたしだったけど、それは一瞬でママの声にかき消されてしまった。
「えへ♪実はね、一志くん。
彼、あたしの旦那なの♪」
「……え?!」
今度こそ、一志は完全にフリーズしたようだった。