8歳上のパパ【長期更新停止中】
夕飯は、一志の好きな天ぷらにした。
四角いテーブルに、あたしと一志、ママと彼がそれぞれ隣同士に座る。
「おー!これ美未が揚げたの?うまそー!いただきます」
さっきまでの緊張もだいぶほぐれたのか、一志は早速ご飯を片手に食べ始める。
1年前まで当たり前だったこの光景。
ただひとつ違うのは……ママの隣りに彼がいることだった。
そんな中、ママはグラスにたっぷりと注いだビールを飲みながら、明るい声で喋り始める。
「一志くん!私ね、本当に嬉しいの。
またこうして、一志くんが家に来てくれて」
「あはは。オレもですよ。
奈々子さん、相変わらず若いっすね。いつの間にかこんなカッコいい旦那さん捕まえちゃって」
「またまた〜!お世辞が上手いんだからっ!!
でも旦那って言っても、籍は入れてないのよ?
今流行ってるじゃない?事実婚ってヤツ。
ねー?純一くん?」
「……あぁ」
短い相づちを打つと、彼は早くも2杯目のビールに口を付けた。