8歳上のパパ【長期更新停止中】


「――……でも運命よね~。偶然再会するなんて!
しかも4月から同じ大学に通うんでしょ?」

「はい、そうなんです。
オレもこの間知って驚いて」


1時間近くが経過した頃。
お酒が入るといつも以上に喋りまくるママに、一志は丁寧に応じてくれている。


「ママ、そんなに質問ばっかしたら一志食べられないじゃん!
一志も。いいよ?まともに答えなくて」


半ば呆れながら言ったけど、ママの性格を考えればそんなことで止まるわけがない。

学校の話、家族の話、そして、あたしたちが前に付き合っていた頃の思い出話……。


――わいわい盛り上がる二人のそばで、大量に作っておいた天ぷらが、どんどん減っていく。

お皿に長い手がスッと伸びてきて、次々と口に運んでいく。

あたしはその様子を横目でずっと見ていた。


話を聞いているのかとか、
一志のことどう思ってるんだろうとか。


気になることはいっぱいあったけど、あたしが作った料理をパクパク食べてくれる。
それがただ単純に嬉しかった。












< 231 / 314 >

この作品をシェア

pagetop