8歳上のパパ【長期更新停止中】


この前の煙草と言い、今日のお酒と言い、最近の彼は本当に理解不能だ。

それだけじゃない。
娘とか言っておいて、夜出かけようとするあたしを女の人扱いしたり、車の中で急に抱きしめたり。

いつもいつも、あたしのことを振り回す。


でももっと分からないのは……そんな彼にドキドキしたり、ズキズキしたりする自分自身。


口では諦めるなんて言っておいて、いつまでたっても踏ん切りのつかない自分の心。


……こんなんじゃ、一志に悪いよ。

リビングにいる一志を思い浮かべ、あたしは小さく息を吐いた。

せっかく一志が来てくれてるのに、あたし何してるんだろ?
こんなところで感傷に浸ってる場合じゃない。


その場にそっとしゃがみ込み、スヤスヤと眠る彼の顔を見つめる。


「もう、いちいちあたしの心を揺さぶるの、やめてよね」

そう呟くと、静かに立ち上がり、ソファーに背を向けた。


それなのに――……。






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