8歳上のパパ【長期更新停止中】
「……み……み」
「え?」
少し掠れた声に、ドアへと向かっていた足を止める。
今、美未って……。
気の……せいだよね?
「行く……な……」
「っっ!!」
今度ははっきりと耳に届いたその声。
振り向くと、部屋を出ようとしていたあたしの腕を、彼ががっしりと掴んでいた。
そして……
あたしの体が……スローモーションのように、彼へと引き寄せられていく――。
――え……――?
唇に感じた柔らかな感触に、大きく目を見開いた。
何が起きたのかを理解するまでにかかった時間は数秒。
「……んんっ!!」
慌てて離れようとしたけど、彼の腕がそれを許してくれない。
それどころか、ますますキツくなっていく。
「やめっ……んっ」
息が……苦しい。
あたしは必死で彼の胸をドンドンと叩く。
そして、その勢いに一瞬だけ彼の腕が緩んだ時、素早くそこから抜け出した。