8歳上のパパ【長期更新停止中】
訳が、分からなかった。
突然の出来事に混乱して、腰が抜けたようにその場にヘナヘナと座り込む。
今、何が起こったの?
そっと、唇に手を当てる。
答えは、唇に残る彼の感触が物語っていた。
「なん……で……?」
ほんの数分前に言ったばっかりなのに。
いちいちあたしの心揺さぶらないでって。
そう、言ったのに……――。
「……でだよ」
「え……?」
か細い声が聞こえてきて、ビクッと肩が動く。
恐る恐る振り返ると、彼は何事もなかったかのように寝息を立てていた。
「……んで……もとさ…や……」
さっきまで触れていた唇が、もごもごと曖昧な音を作る。
「寝言か……」
そう呟くと、あたしは床に落ちた布団に手を掛ける。
それをそっと彼の体に被せると、あたしはぎゅっと目を瞑り、そのまま部屋を後にした。