8歳上のパパ【長期更新停止中】
「……お湯、沸いてるけど」
「ぎゃっ!!」
後ろから聞こえてきた声に、思わず飛び跳ねる。
本当にもう……朝から心臓に悪すぎだし。
慌ててコンロの火を消し、彼にバレないように深呼吸をしてから振り向く。
「お、おはよう」
平然を装ったつもりだったけど、やっぱり詰まってしまった。
「コーヒー、今入れるね」
「……あぁ、ありがと」
顔を合わせずらくて再び後ろを向くと、彼が椅子に座る気配がした。
「あ〜頭いてぇ……。飲みすぎかな」
それに対しては何とも言えない……。
あたしは、あえて何もコメントせずにコーヒー豆の袋を取り出した。
コーヒーはママのこだわりで豆から引くのが我が家の鉄則だ。
最近お気に入りだというブルーマウンテンのコーヒー豆を引き始めると、とても良い香りがリビングを包む。
すると、彼が顔を上げて辺りをキョロキョロと見渡した。
「あれ……。そう言えば、社ちょ……お母さんは?」