8歳上のパパ【長期更新停止中】
「……ぶはっ!!」
「……へ?」
冷凍庫へ向かった彼との距離が開いたことにホッとしていると、いきなりそんな笑い声が耳に届く。
驚いて振り向くと、彼が保冷剤を取り出しながら肩を震わせていた。
……な、何が起こったの?
「あの~……?」
「っくく……んっ?」
口元に手を当てて、笑いを堪えながら答える彼。
まったくもって意味不明な行動に、あたしの疑問も増す一方だ。
いったい何なわけ?
ひとりでツボに嵌ってるし。
訳が分からない。
「あの、保冷剤……」
「ん?あ~ごめんごめん。
美未ちゃんが面白くてつい……」
「あたしが?」
「……だって、さっきから声裏返りすぎ。
あ~腹痛ぇ……」
そう言って目尻に浮かんだ涙を拭くと、彼は「はい、これ」と保冷剤を手渡した。
……もう、そんなに笑うことないじゃん。
そう思いつつ、あまりにも動揺していた自分が恥ずかしくて、あたしは彼にバレないように、火照った頬に手を当てた。