8歳上のパパ【長期更新停止中】


すぐに冷やしたおかげで、火傷はそれほどひどくならずに済んだ。

でも、さすがにその状態で火を使うのは良くないと言って、彼は朝食のハムエッグとサラダを作ってくれた。
それがまた、半熟具合がちょうど良くて、なかなか美味しい。


食べながらチラリと彼を見ると、すでにキレイに平らげて、コーヒーに口を付けるところだった。

「やっぱりコーヒーはうまいな。二日酔いが冷めてくよ」

ははっと笑いながら、ゴクゴクと一気に飲み干す。


「よし、ごちそうさまでしたっと」

そう言って、スッキリした表情で椅子から立ち上がると、洗い物を始めた。


「あ、いいよ、あたしやるから!!支度あるでしょ」

「いや、いい。まだ時間あるし。
てか食べ終わった?ついでに洗っとく」

そんな自然な態度の中でも、あたしの指を気遣ってくれていることが伝わってきて、心がポカポカと温かくなる。


すると、何を思ったのか、突然彼の動きが止まった。


「……どうかした?」

疑問に思ったあたしは、その逞しい背中に問いかける。

それと同時に、振り向いてじっとあたしのことを見つめる彼――。


「――あのさ、」

「ん?」

「昨日の、ことだけど……」











< 253 / 314 >

この作品をシェア

pagetop