8歳上のパパ【長期更新停止中】
それでも「嘘でしょ?」とか「ホントのこと言っちゃえ」と、追求しようとするメンバーに、あたしはその場をやり過ごそうと必死で応答する。
「ご期待に添えなくて、すみませんねー」
なんて、嘘を重ねるたびに、ズキズキと痛む自分の心。
でも、どうしても言えなかった。
一志に悪いと思っていても、言う気にはなれなかったんだ……。
ごめんね、一志……。
――ガラッ!
「いや〜ごめん、ごめん!彼女がどうしても声が聞きたいって電話してきてさぁ!」
席を外していた男子がタイミング良く戻って来てくれて、今度はみんなそっちに食いつく。
良かった……。
とりあえず、流れを変えてくれたことにホッと胸を撫で下ろす。
だけど、盛り上がるみんなの話に加わることはできなくて。
あたしはただ一人、罪悪感と戦っていた。
……なんで言えなかったんだろう。
あんなに大切にしてくれてるのに。
……なんで言う気にならなかったんだろう。
付き合うと決めたのは、あたしなのに……。