8歳上のパパ【長期更新停止中】
――時間が経つのは早いもので、店内には学校帰りの高校生が増えて来ていた。
そんな中、元の席に戻っていた梨花子が、ストローでジュースの氷を転がしながら口を開く。
「ねぇ、美未。
さっきは大袈裟に言い過ぎたけどさ。別にバイトじゃなくてもいいから、美未もそろそろ新しい出会い探してみれば?」
「……」
……何よ、それ。
からかったと思えば、急に真面目な顔になるんだから。
「そんなこと、わかってるよ」
あたしは梨花子から目を反らすと、頬杖をつき、視線を窓の外へと向けた。
――美未……ごめんな。
忘れたい1年も前の出来事が、あたしの頭の中に現れる。
その傍らに、一瞬だけ彼の顔が浮かんだような気がして、あたしはぎゅっと目を閉じた。