8歳上のパパ【長期更新停止中】
20.別れの時
「お待たせ、美未」
背後から聞こえてきた声に振り向くと、自転車を押した一志が笑顔で立っていた。
その姿を見て、胸が痛む。
「だいぶ待った?」
「ううん、今来たとこ。
ごめんね、急に呼び出して」
目が、合わせられなかった。
だってあたしはこれから、一志を傷付ける。
そのことが分かっているから。
「どっか行く?」
首を傾げて優しく言う一志に、あたしはゆっくりと首を振った。
「……ここでいい。話があるの」
近くにあったベンチに座ると、一志も自転車を止めて、わざわざ隣のベンチに腰を下ろした。