8歳上のパパ【長期更新停止中】


これが、あたしの出した答え……。


一志はしばらく何も言わなかった。


あたしも……黙ったまま前だけを見つめていた。


再会して1ヶ月弱。


短い期間だったけど、一志は真剣にあたしを思ってくれた。


身勝手なのはあたし。
だから、きちんと話さなければいけないんだ。



「一志、あたしね……」


意を決して一志へと視線を向けたのに、どうしても言葉に詰まってしまう。


「あたし……」


――伝えなきゃ。
大切にしてくれた人だからこそ。


「あの……っ」

「はぁー」

「え……?」


まさに核心に触れようとしたその時、一志から漏れたため息に、あたしは大きく目を見開く。








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