8歳上のパパ【長期更新停止中】
「ごめん……。ごめんね、一志っ……」
ここで泣くなんてズルイと思いながらも、あたしの目からは涙が溢れ出していた。
どうしてこんなことになってしまったんだろう。
こんなに心優しい人を、なんで傷つけてしまったんだろう……。
「泣くなよ、美未。悪いのはオレだ」
「え……?」
それは、予想外の一言で。
切なそうな一志の瞳が、あたしの姿を映す。
「オレがあの時……。
1年前、美未のこと離さなければ……。
自分の家庭内の問題で美未のこと悲しませなければ、きっとこんなことにならなかった」
「ちが……」
「違わねぇよ。
オレが弱かったんだ。
自分からフッたくせに、未練たっぷりで。
1年経って再会したとたん、ひどいことした自分を棚に上げたまま、やり直そうなんて、虫が良すぎたんだよ」
「一志……」
なんで……。
どうしてそんなに、優しいの?
ポケットに手を突っ込んで。
薄暗い空を見上げながら言う一志は、今にも泣き出しそうな顔をしているような気がした。