8歳上のパパ【長期更新停止中】
涙が、止まらなかった。
一度目の別れの時は、一志の複雑な気持ちにも気付かずに、自分だけ傷ついて。
二度目の別れの今は、勝手すぎる自分が許せなくて。
狂ったあたしたちの歯車は、もう元に戻すことはできないんだって、改めて悟った。
「……泣くなよ、美未。
ここで泣かれても、オレもう何もしてやれないんだから」
「ごめっ……ひぃっく」
泣き止もうと思いっきり息を吸ったけど、逆効果にしかならなかった。
でも、泣いたまま終わりにするなんてひどすぎる。
だって、あたしは一志に、たくさんの思いをもらったから。
あたしに恋愛の楽しさを教えてくれて、高校生活の半分以上を一緒に過ごしてくれた人だから。
だから「ごめん」なんて悲しい一言で、終わらせたくない……。
次々と流れ出る涙を必死で抑えながら、あたしはゆっくりと顔を上げた。