8歳上のパパ【長期更新停止中】
でも、先に口を開いたのは、一志だった。
「なぁ、美未、最後にひとつ聞いていいか?」
「……うん」
「純一さん、奈々子さんの旦那なんだぞ?」
「うん」
「美未、これからもっと辛い思いするかもしれないんだぞ?」
「……分かってる」
「……もう、決めたんだな」
「うん。
自分で選んだ道だから、もう迷わない。
明日、ママが帰ってくるんだ。だからちゃんと言おうと思う」
「そっか……。
頑張れよ」
一志のその一言は、あたしに勇気をくれた。
本当に、最後まで優しい人。
そのままあたしに背を向けて、自転車に乗ろうとする一志。
その後姿に、あたしは大きな声で言う。
「一志っ!!今まで、本当にどうもありがとう!!
あたし、頑張るよっ!!」