8歳上のパパ【長期更新停止中】
4.魔法の言葉
「ふん、ふん、ふん♪」
翌日の朝、鼻唄交じりにお弁当を作るあたしを見て、寝起きのママはびっくりしていた。
「どうしたの、美未?
なんかいいことあった?」
「んー?別に〜。
久しぶりにちょっと気が向いたから作ってみようと思って。
あ、もちろんママのもあるからね!!」
「……ママの『も』?」
普通なら誰も突っ込まないような細かい部分に、すかさずママが反応する。
でも、少し鋭さを含んだその声は、その時たまたま焼き始めていたお肉の音にかき消されて。
「ん?ママ、何か言った〜?」
ご機嫌なあたしの耳には、全く入って来なかった。