8歳上のパパ【長期更新停止中】
先に玄関を出たママの後を追って、彼も続く。
「じゃあ……いってきます」
「あ……はい。いってらっしゃい」
たったそれだけの会話で、どうしようもない程のドキドキが生まれてくる。
ビシッと決まった濃いグレーの後ろ姿に、見とれてしまいそうになる……。
「……あ、そうだ」
出ていく間際、小さな声でそう呟いた彼は、まるで兵隊のようにクルリとこっちに向き直った。
……まさに不意討ち。
目が合ったとたん、心臓が更に大きく跳ね上がる。