8歳上のパパ【長期更新停止中】


先に玄関を出たママの後を追って、彼も続く。


「じゃあ……いってきます」


「あ……はい。いってらっしゃい」


たったそれだけの会話で、どうしようもない程のドキドキが生まれてくる。


ビシッと決まった濃いグレーの後ろ姿に、見とれてしまいそうになる……。






「……あ、そうだ」


出ていく間際、小さな声でそう呟いた彼は、まるで兵隊のようにクルリとこっちに向き直った。


……まさに不意討ち。


目が合ったとたん、心臓が更に大きく跳ね上がる。







< 49 / 314 >

この作品をシェア

pagetop