8歳上のパパ【長期更新停止中】
真っ直ぐな瞳。
漂う緊張感。
「……美未ちゃん、これ……」
ダメだ……。
もう耐えられない。
あたしは、彼が次の一言を発する前に慌てて立ち上がった。
「すすす……すいませんでした!!」
「へ?」
きょとんとする彼を前に、あたしは一気に喋り続ける。
「実は今日の卵焼き、失敗しちゃって。
いや、失敗したというか、朝ボーっとしてたら、味塩こしょう入れるの忘れてそのまま焼いてて。
ケチャップを掛けてごまかそうとしたんですけど、肝心のケチャップがないし。
でも、卵焼きがなくなると色合いが悪くなるし、と思って、そのまま味なし卵焼きを……。
やっぱり美味しくないですよね?」