8歳上のパパ【長期更新停止中】
それから1時間くらいした頃、玄関のドアが開く音がして。
「ただいまー……」
なんとなく疲れたような声をした彼が、リビングへと入ってくる。
「おかえり、遅かったわね」
「あぁ、営業先との打ち合わせが長引いた」
ママと話をする彼が、ふと隣にいたあたしへと目を向ける。
……どきん。
高鳴る心臓の音に耐えられそうもなくて、一瞬、そのまま目を反らしそうになってしまった。
でも、それじゃあ前に進めない。
「美未ちゃん……ただいま」
ちょっと不安げな表情でそう言った彼に、あたしは満面の笑みで答えた。
「……おかえりっ!
今日は鍋だよ。早く食べよ」
「え……?」
「いいから!早く!!」
そんなあたしたちのやり取りを見て、ママは優しく微笑んだ。