ブラッディーマリーと最弱男

この呪文を唱えれば、ブラッディマリーが…

先程から心臓がバクバクとうるさい位に脈動しているのを感じる。
恐れなどはブラッディマリーを手に入れると誓った時に既に捨てたーー

「ヴィーヴェルルロウ!」

石碑の通り、ブラッディマリーの入手に必要な呪文を紡ぐ。
呪文に呼応するかの様に辺りは輝き、強い風が肌を裂くほどの勢いにオーギュストは後ずさる。

「くっ…これ程の力ならきっと!」

後ずさりながらもオーギュストはハンターの正装である、蒼と金の細やかなこの国護りで女神の紋様を皆何かしら付けるのが慣わしだ。
正装が破けるのも構わず、ゆっくりとブラッディマリーに近付くーー
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