春に咲く柚
柚先輩に対して、どうしてこんなにも意識してしまうのか、本当はもう分かっている。


だからこそ、一緒に居られることが嬉しい。


名前を呼んでくれることか、堪らなく嬉しい。


"綺咲"


私の名前は、こんなにも美しく、優しく響くものだったろうか。


(……違うよね。先輩が、特別なんだ)
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