春に咲く柚
「う~。やっぱり数学は難しいです……。全然出来る気がしません」


机に項垂れて弱音を吐く私に苦笑しながらも、しかし柚先輩はいつも優しい声援をくれる。


「いやいや。綺咲は国語が得意なだけあって飲み込みが早いし、教えるのも楽だよ。後はどの問題にどの公式を使えば良いのか理解出来ればバッチリ。何とかなるよ」


「柚先輩……」


とうしてだろう。


柚先輩にそう言われると、本当にそうな気がしてくる。
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