春に咲く柚
『先輩』というのは、勿論柚先輩のこと。


それは涼香ちゃんも分かっている。


それに、私が柚先輩を想っていることも、知っている。


だから放課後の図書館勉強のことを、応援してくれているのだ。


「そっか。綺咲、ファイトだよ!」


笑顔でエールを送ってくれる友達に、私も笑顔で応える。


手を振って、涼香ちゃんを見送ると、私も教室を出て、図書館へと足を向けた。
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