春に咲く柚
皆熱く語り合っている為、自分の席に座っているのは俺を含めた数人のみ。


だから尚人も来たのだろう。


「ヤだよ、面倒くさい。お前が出ろよ」


「綺咲ちゃんも見てくれるかもよ?」


「綺咲を引き合いに出すなよ」


冗談半分にそう薦めてくる尚人。


俺はその薦めを即答で断り、それらを隣でニヤニヤと笑いながら恋が傍観している。
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