春に咲く柚
「見んな……」
綺咲と付き合い始めて、もうすぐ一ヶ月。


明後日が一ヶ月記念日。


だからと言って特別浮かれたりもせず、普段通りに過ごしている。


けれどそんな日常の中で、トラブルは起きてしまうものなのだ。


「綺咲、行こうか?」


昇降口で綺咲と待ち合わせて、一緒に帰る。


ニコッ、と微笑んで、綺咲は頷く。
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