春に咲く柚
私の隣で綺咲が目を見開いている。


ついでに、私も驚いた。


まさかこんな場所でクラスメイトの口から柚先輩の名前が出てくるなんて思っていなかったから。


「……柚先輩が…どうかしたの……?」


綺咲の震える声が聞こえた途端、女子達がザワついた。


「”柚先輩”って、”柚季”?」
「え~? じゃあホントにぃ?」
「可哀想~」
「そいつサイテ~」
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