春に咲く柚
けれどその一言に、教室中が静まり返った。


皆目を丸くして、綺咲を見ている。


私も、同じだった。


そして更に、綺咲の冷ややかな言葉が続く。


「それが、何だって言うの? その知り合いの話が本当だとしても、どうして貴方達にまで責められるの?」


クラスメイト達が一斉に息を飲んだ。


「貴方達が、柚先輩の何を知っていると言うの? 『最悪』とか『残念』とか……どうしてそんなことが言えるの? そんなことを言って、柚先輩を誹謗する権利が、貴方達にあるの?」
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