春に咲く柚
扉を出る時、一瞬だけ見えた綺咲の横顔に、一筋の雫が流れていた。



 ✳ ✳ ✳



【今日は一緒に帰れません。すみません】


そう書かれた、綺咲からのLINE。


何の変鉄もない、普通の内容だ。


しかし俺は、何故かおかしいと感じた。


理由なんかない。


けど、違和感を感じたんだ。
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