春に咲く柚
「”綺咲”かぁ。……ああ、うん、分かる気がする」


「?」


(『分かる』……?)


先輩の言葉の意味が解らず、私は緊張も忘れて上を向き、気付けば先輩と目を合わせていた。


私がきょとん、としていると、先輩は柔らかく微笑み、


「いや、君にピッタリの名前だと思って」


「……?」

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